蔓延する水不足
世界には水の問題が溢れている。地球上にある水資源は均等に人に渡らず、多くの国々が水不足に悩み、ストレスを抱えている。また、水資源が豊かだった国も、人口の増加や異常気象などが原因で水不足に陥り始めている。
水資源の格差
地球上には約14億立方キロメートルという想像できないような量の水が存在しているが、そのうち人が使える水は全体の0.01%ほどで、全人口に分けると年間で一人当たり8000立方メートルの水が渡ることになる。これは1人に人間が一年に必要とする水の量の2倍が当たるということであるが、実際はカナダとエジプトで一人が使える水の量に90倍の差があり、エジプト国民は必要な水が不足しているなど、水資源の格差がある。
「人間が年間に使える水の量が1000から1700立方メートル以下の状態」と定義され、この状態にあるとされる人は2006年時点で7億人いたとされる。この状態では人間が必要とする水の半分しか使えないので、水を必要とする作業も一日に少ない回数でこなさなければならない。
水不足による貧困
水が不足している地域では、時間と労力を費やして遠方まで水を汲みに行かなければならない。水を汲みに行くのに必要な時間が知識や技能を習得させる時間を奪うので、住民は仕事に恵まれず、水が不足している地域は貧しいまま変わらない。また、苦労して汲んできた水も安全とはいえず、伝染病によって命を落とすこともある。不衛生な水を飲むことで、年間500万人を超える乳幼児が伝染病にかかり命を落としている現状がある。
上下水道の整備不足
世界にはまだ、上下水道の整備がしっかりと行われていない地域が多く存在している。そのような地域では屋内トイレが設けられていることが少なく、外で用をたすためにさらに水の安全性が下がっている。水の衛生環境が悪い地域では、年に150万人もの子どもが命を落としている。
人口増加と異常気象
地球温暖化を研究している国際的な機関である「気候変動に関する政府間パネル」の報告書によれば、21世紀の中期になると現在水不足で苦しんでいるアフリカやアジアなどでは、降水量が下がって一層水不足になると予想されている。 さらに、今後時代が進んでいくと人口の増加によって水不足になると懸念されている。人口の増加がもたらす食料需要の増加は大量の農業用水を必要とするので、世界の水事情はますます悪化すると考えられる。
地下水の枯渇
現在の農業の主流は感慨農業であるが、それに使う灌漑用水の多くは地下水を利用している。その為、農業規模の拡大はすなわち地下水の利用の増大を意味している。インドや中国など人口の増加による食料需要の増加が問題視されている国では、過剰な農業規模の拡大により地下水の枯渇が問題となっている。
オガララ帯水層
「オガララ帯水層」はアメリカに存在する世界でも最大規模の水資源であり、食料輸出世界1位であるアメリカの農業の支えとなっている。しかしそんな巨大なオガララ帯水層も降水量が少ない年が続いたことと、もともと溜まっていた地下水を汲み上げすぎた結果、地下水が減り耕地も減るという状態になってしまった。オガララ帯水層は食料需要の増加による過剰な地下水の利用の一例であり、地下水の枯渇問題に悩まされている。
アメリカのオガララ帯水層のような巨大な帯水層は、他にもヨーロッパ、アジア、アフリカなど世界各地に存在している。しかし、それらの帯水層は複数の国の国境線をまたぐように存在しているので、その帯水層の地下水を利用することは国同士の争いを生み出す。